広くてのんびりできる山頂と、富士山の展望が素晴らしい高松山(神奈川県:801.2m)。そんな高松山の近くに「はなじょろ道」という古道が存在します。
はなじょろ道は明治末期まで山越えの生活道で、はなじょろ(=花嫁)がここを通ったというのが名前の由来のようです。
2020/01/21(火)、山北町側から高松山に登り、はなじょろ道を通って松田町の田代向バス停まで歩いてきました。山北町の共和地区から松田町の寄地区へ嫁いだはなじょろさん達に思いを馳せながら。
その後はさらに寄バス停まで歩き、寄ロウバイ園でロウバイが満開だというので見て帰ろうと思っていたのですが…。結論から言うとロウバイを見ずに帰りました。バス発車時刻40分前からバス待ちの長蛇の列が出来ていたからです。新松田駅前で食事をしたいのもあって「ロウバイを見てから並んだらきっとバスには乗れない…」と判断したのです。
高松山の位置と今回のルート
高松山は丹沢にある山です。大野山がご近所さんです。
今回のルートがこちら。
新松田駅からバスに乗り高松山入口バス停下車、高松山へと登ったらはなじょろ道を通って田代向バス停へと抜けるプランです。
今回の高松山へのアクセス
(筆者の場合)
- 新松田駅徒歩1分「大松園」さんで焼肉ランチ ¥1,430(税込)
交通費合計 ¥2,300
食事合計 ¥1,430
今回使ったお金 ¥3,730
山行記録
新松田駅からバスで高松山入口まで
新松田駅を降りてすぐのところにバス停があるので、1番のりばの「山北駅行き」か「西丹沢ビジターセンター行き」に乗って高松山入口まで移動します。バスの乗車時間は11分ほどです。
高松山入口バス停から先は、少し長めの車道歩き。反対車線側に渡り、矢印の方向に進みます。
車道歩きでは道標通りに進んだ方が良さそうだという話
ハイキングコースへはハイキングコースの道標が至る所にあるのでその通りに進みます。「高松山 ビリ堂コースに危険箇所有り。通行注意」との看板があるので心にとめておきます。
この先も至る所に道標があるので迷うことはないと思います。というか山と高原地図にある道は無視して道標通りに進まないと泣きを見るかもしれない。
というのも…
こちらは今回私が道標の示す通りに歩いた軌跡なのですが、後半、山と高原地図のルートとはだいぶ違う道を通っています。
どうしてそうなったのか、理由はこれではないでしょうか。
このあたりでは新東名高速道路の工事が行われているのです。
歩いている途中、高速道路の工事中と思われる場所がありましたし、
途中にあったハイキングコースの看板を見るに、高速道路がハイキングコースを横切る予定になっています。
そのためか、ハイキングコース付近は工事中になっているところが多いです。
工事横を通ることもしばしば。
多分、高速道路の工事に伴い、通れなくなった道などがあるため、至る所にある道標で現在通れる道へと誘導しているのではないでしょうか。
山と高原地図にあるルートと合流する所は、
ハイキングコースの看板でブロックされていて通れなくなっています。
山と高原地図を見るに「ミカン畑」と書いてある方からも行けることになっていますが、道標通りに進まずにミカン畑方面へ進んだら、途中のどこかでそれ以上進めなくなる可能性が高そうです。そうなると、途中まで行ったは良いが通行止めで引き返すハメになったりするかも…。
ということで、設置されているハイキングコースの道標通りに進んだ方が良いですよ、という話でした。
登山道に入る前に展望箇所あり
先程のこの地点の少し手前に、
ハイキングコースの看板が設置されている場所があるのですが、
そこには休憩所+展望台?があります。
50人以上は乗ってはいけないようです。
西には立派な富士山を望むことが出来ました。
さらに先に進むとこちらの合流地点。ここからやっと山歩きらしくなります。バス停からここまでは40分といったところ。
ビリ堂まで
まずはビリ堂まで。特に急登も無くなだらかな道なのでとても歩きやすいです。
途中、鉄塔の側を横切る箇所も。
この分岐は矢印の方向へ進み、
なだらかな樹林帯を歩いていきます。
途中、道が崩落している箇所が。
車道歩き中に見た「高松山 ビリ堂コースに危険箇所有り。通行注意」はこの事のようです。
矢印のように進むことができるので、先への通行は可能です。足元にはお気をつけて。
さらに樹林帯を歩き進めると、
ビリ堂に到着。
山と高原地図ではコースタイム1時間10分と記載されていますが、急登も無く比較的なだらかな登山道だったので50分で到着しました。
ビリ堂の標高は620mのようです。
丹沢の他の山々同様、4〜11月はヒルが出るので注意が必要です。
ビリ堂から歩き進める事10分ほどで少々長めの階段が出てきます。
階段が終わった後は、今までの道とは違って荒れた箇所が多くなってきます。
分岐を山頂方面へ。
ビリ堂から25分、さらに分岐から5分ほどで高松山山頂に到着。山と高原地図ではビリ堂〜高松山は45分ですが、ビリ道の道標には「高松山 30分」と書いてあったので、道標の時間が正解かも?
高松山山頂
高松山山頂。801.4mと書いてあるのですが、国土地理院で調べるに801.2mでした。
山頂はとても広くて開放的です。
富士山の展望が素晴らしい。
高松山からは海もよく見えるのですが、この日は海面の一部が黄金に輝いていました。
ここでゆっくり山ごはんを食べるのも良さそうです。でも、今回のお昼は新松田駅近くのお店で焼肉ランチを食べるんだ…。
ということで、先へ進みます。
高松山からはなじょろ道へ
山頂からこちらの分岐まで戻り、
秦野峠方面へ。
途中、1箇所ロープがあります。
10分ほどでこちらの分岐に到着。「ヒネゴ沢乗越・ダルマ山・秦野峠」方面へ。
どんどん下って、
5分ほどでヒネゴ沢乗越に。こちらを田代向バス停方面に。
山野ヒルくん。ヒルにもゆるキャラが存在するなんて知らなかったよ…。
はなじょろ道〜田代向バス停
ヒネゴ沢乗越から先は道幅が狭いながらもよく整備された道です。
はなじょろ道は2009年に設立された「虫沢古道を守る会」によって整備されたのですが、昔もこんなに整備されていたのかな?自分の足で山を越さないといけないなんて昔の人は大変だったなぁ。この山道は生活道で、花嫁さんがこの道を通って嫁ぎ先まで行ったそうだけど、花嫁さんは山を登りながら何を考えたんだろう?
…などと、昔、この道を歩いたであろう人のことをぼんやりと考えながら先に進みました。
途中、出てきた「炭焼き窯跡」の標識。
はて、窯跡なんてあっただろうか?と後ろを振り返ると、
遠くに立て看板のようなものが。もしかしてあそこかな?
もしかしたらどこかに窯跡への分岐があったのかもしれませんが、気付かずに山道を下ってきてしまいました。戻ろうかとも考えたのですが、焼肉ランチが待っているので先へ進むことに。
はなじょろ道は赤テープもあり、よく整備されているのですが、1箇所だけわかりにくいところが。この一帯だけ荒れていて、赤テープも見当たらない。
よく見ると標識がありました。
はなじょろ道にはところどころに木彫りの動物が置いてあります。
足柄の方々によって設置されているようです。
心地良い木漏れ日の中、はなじょろ道を下っていると…
急に道が伐採された枝や葉で道が塞がれている状態に。
その枝の上を歩き進めていくと、なにやら先が工事中…。
工事をしている方に通って良いかを尋ねると「尾根上を歩いてください」とのことなので、工事している横の歩きづらい尾根上をなんとか進みます。
舗装路との分岐まで出たところに、
森林整備作業中の看板が出ていました。3/10までは何らかの工事をしているようですので、通行する際はお気をつけて。
林道を歩いてバス停まで35分ほど歩きます。
はなじょろ道はヒネゴ沢より共和の八丁に通ずる道路であったが近年では国道246号線等が整備拡充されたこともあって、時に鉄砲道と言って狩りをする人がたまに通る道で荒れ放題であった。
昔は共和村等の婚姻関係もあり、花嫁さんがここを通って寄方面に来たのでこの名が付けたれた。
平成21年「虫沢古道を守る会」が往時と先人の労苦を偲んで虫沢から八丁の皆瀬川に至る総延長5mの道を間伐材等を利用して整備したものです。
平成22年4月吉日 虫沢古道を守る会
「虫沢古道を守る会」は「タケ山古道」も復元していて、2017年に開通式があったようです。ヒルが出る季節になる前にこちらの古道も歩いてみたい。
田代向バス停まで歩いて新松田駅まで戻ります。上りも下りも車道歩きが多かった…。
寄ロウバイ園でロウバイを見ようと思ったのが甘かった
寄バス停近くの寄ロウバイ園でロウバイが満開だというので、田代向バス停から30分ほど歩いてロウバイ園へ行ったのですが、寄バス停に着いた時に見たのはこのバス待ちの行列。
この時、次のバスが来るまで40分程あったのですが、それなのにこの列とは。これはロウバイを見てから並んだらバスに乗れないなんてこともあるのではないか。焼肉ランチをする予定なのに1時間に1本のバスを何本も見送るのはちょっと…。
ということで、ロウバイは諦めてバス待ちの列に並びました。
私はかろうじてバスに乗ることが出来ましたが、乗れなかった人は「35分後に臨時バスが来るのでそれに乗ってください」と言われていました。その臨時バスに残りの全員が乗れたのかは不明です…。満開時には平日でもこんなにバスが混むんですね。休日だったらどうなっていたんだろう…。平日だからとロウバイ園を甘く見ていたわ…。
新松田駅前の大松園でランチ
ぎゅうぎゅうのバスでヘロヘロになり新松田駅着。
気を取り直して大松園さんで焼肉ランチをいただくことにします。
お店は2階です。
今回は牛カルビランチ¥1,300(税抜)を注文。
すごく…おいしかったです…(語彙力)。
次はカルビ麺も食べてみたいな。
終わりに
広々として開放的な山頂の高松山。はなじょろ道を通った花嫁さんは高松山に寄ることは出来たのでしょうか?嫁ぐ為に歩いているのだから、寄り道なんて出来ないか…。
それに比べて自分は好きな時に好きな山に登れて、良い景色を見て元気を貰って。
今の自分の状況はなんて恵まれているのだろう、そんなことを思ったりした1日でした。