今日はあの山へ

関東から電車とバスで行く登山・ハイキング

夜行バスで行く冬の北アルプス・小遠見山登山

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<2024年1月3日追記>

このブログはアクセス方法が古いです。現在、高速バス新宿〜白馬線で「五竜エスカルプラザ」に停まる夜行便ができました。「五竜エスカルプラザ」はエイブル白馬五竜前に停車します。

 

2020年02月20日(木)の夜行バスに乗り、2月21日(金)に北アルプスの遠見尾根・小遠見山を往復してきました。

 

小遠見山(2,007m)は公共交通機関でも行ける貴重な雪山のひとつなので何度も足を運んでしまいます。序盤から大展望が広がるので景色を堪能しながら歩けるのが嬉しい。行動時間が短いので冬の北アルプスデビューにも良いと思います。

 

スタート地点はエイブル白馬五竜スキー場。ロッカーやお風呂・食堂もあるので、登山の時に必要の無いものはロッカーに預けたり、下山後は食事をしたり汗を流すことも出来ます。

 

個人的にはワカンかスノーシューがあった方が良いと思います。持っていない場合はスノーシューがスキー場でレンタル出来るのですが、レンタルカウンターは毎年スキー客で長蛇の列が出来ているので、借りるまでに時間がかかるかもしれないです。

 



 小遠見山の位置と今回のルート

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小遠見山は長野県北部にある北アルプスの山です。

 

 

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五竜岳鹿島槍ヶ岳がご近所さん。

 

 

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今回のルートはこちら。

 

エイブル白馬五竜スキー場」からゴンドラに乗ってアルプス平駅まで移動、さらにリフトを使って上へ(リフト区間は歩いて上がるのも可能)。その後は小遠見山までのピストンです。

 

リフトは上り専用のため下りでは使えないため、下山時はスキー場を10分ほど歩いてゴンドラのアルプス平駅まで戻ります。

 

小遠見山へのアクセス

料金・時間は2020年02月時点のものです。

<2024年1月3日追記>

いつからか、高速バス・新宿〜白馬線の停車駅に「五竜エスカルプラザ(エイブル白馬五竜前)」ができたようです。ですのでエイブル白馬五竜に直接行けるようになりました。バスタ新宿23:05発→五竜エスカルプラザ06:15着。詳細はハイウェイバスドットコムなどでご確認ください。

行き:手段1

夜行バスで移動
  • バスタ新宿より新宿(23:05発)→白馬八方行きの夜行バスに乗り白馬五竜下車(06:11着)/web決済で¥6,300
  • そのまま白馬五竜バス停でスキー場の無料送迎バスを待つ  or  7分ほど歩いて神城駅まで移動してスキー場の無料送迎バスを待つ→エイブル白馬五竜まで

 バスはハイウェイバスドットコムから予約が可能です。路線は「新宿〜白馬線」です。

高速バスのハイウェイバスドットコム 全国の高速バスを簡単予約

 

 

無料送迎バスはスキー場・エイブル白馬五竜HPの「アクセス」内に時刻表があるので事前にチェックすると良いでしょう。

www.hakubaescal.com

 

無料バスは白馬五竜バス停にも停車することになっているのですが、バス停の中にいたらバスが素通りして置いていかれたという話を聞いた事があるので、バスの時間が近づいたらバス停の外で待っていた方が良さそうです。

 

私は時間があるようであれば徒歩7分ほど歩いた先にある神城駅まで移動します。

 

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神城駅。ここにも無料送迎バスが来てくれます(写真は去年のものです)。

 

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神城駅内。早朝はまだストーブは付いていません。でも、ここに来ると良い事が。それは「駅にはトイレがある」のです。高速バス内にもトイレはあるのでそちらで済ませた方が効率が良いのだとは思いますが、バス内のトイレって落ち着かないじゃないですか…。え、そんなことない?

 

行き:手段2

夜行スキーバスで移動
     
  • JAMJAMライナー・横浜YCAT(23:20発)東京(24:20発)発 ー 信州行きに乗り五竜エスカル下車(06:10着)/¥3,000〜¥6,000(時期・曜日で異なる)

 スキーバスの良いところはスキー場に直行してくれるところです。しかも時期によっては平日だったら¥3,000で行けてしまう可能性も。

 

ただ…白馬五竜行きの夜行バスに比べて座席が狭かった。硬かった。

 

今回スキーバスで行ったのですが体がバッキバキになりました。夜行バスであんなに腰や背中が痛くなったのは初めてかも…。

 

帰り:手段1

高速バスで移動
     
  • スキー場から無料送迎バスで白馬五竜バス停まで移動
     
  • 白馬五竜バス停から新宿行き高速バスで帰路/web決済で¥4,200(中央道八王子までの場合)

 

帰り:手段2

スキーバスで移動
     
  • JAMJAMライナー(16:05発)にスキー場のエントランス(五竜エスカル)から乗る→横浜YCAT(21:55着)東京(21:06頃着)¥3,000〜¥6,000(時期・曜日で異なる)

 

帰り:手段3

電車で移動
     
  • スキー場から無料送迎バスで「神城駅」まで移動(10〜15分)
     
  • JR神城駅→松本駅まで移動し、松本駅からあずさに乗車/運賃¥4,510+指定席¥2,240=¥6,750(八王子までの場合)

 

今回は「行き:手段2(夜行スキーバス)」と「帰り:手段1(高速バス)」で行動しました。

 

今回使ったお金

行き:八王子駅横浜駅 ¥726

行き:スキーバス(横浜→五竜エスカル) ¥4,500

スキー場内食事(サブウェイ) ¥750

スキー場内ロッカー ¥500

ゴンドラ往復 ¥2,000

リフト上り ¥450

スキー場内お風呂 ¥650

帰り:高速バス ¥4,200

帰り:バス ¥178

帰り:電車 ¥136

 

合計 ¥14,090

 

山行記録

 横浜から夜行スキーバスで五竜エスカル(=エイブル白馬五竜スキー場)まで

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JR横浜駅で下車して、YCAT(高速バス乗り場)まで移動。23:20のスキーバスに乗車。翌朝06:10の現地到着まで寝て移動…と思ったのですが、シートが狭くて硬くて辛かった…(苦笑)。これなら少々高くても毎回使っている白馬五竜行きの夜行バスに乗った方が良かったなぁ、というのが正直な感想です。

 

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05:56、予定より少し早くエイブル白馬五竜スキー場(五竜エスカル)に到着。

 

到着してびっくりしたのが雪の無さ。毎年エントランス周辺は雪が踏み固められてツルツルになっているのですが、今年は雪が全く無い。記録的暖冬だとかスキー場は雪が無くて苦労しているという話は聞いていましたが、ここまでとは。

 

 

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スキー場に着いたらさっそくですがこの行程一番の難関があります。バスが到着するのが大体06:00くらい。白馬五竜行きの夜行バスを利用した場合でも06:40くらい。そこから08:15のゴンドラ・五竜テレキャビンの運行まで1時間半〜2時間ほど待ち時間が発生します。

 

ということで、毎年1Fのこのスペースでひたすら時間を潰すことになるのですが…

 

 

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この日は大勢のスキー客が夜行バスで来るのがわかっていたようで、2Fのレストランが休憩所として開放されていました。数年通っているのですがこれは初めての体験でした。絶対座れるってありがたい。

 

 

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7時になると同じく2Fのサブウェイが開店するので、ご飯を食べることに。

キーツアーの人はサブウェイの朝食券付きだったようで、行列が出来ていました。

 

 

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ご飯を食べたら登山の準備。私はヘタレなので荷物は少しでも軽くして登りたいから下山後のお風呂セットや着替えはロッカーに預けます。預ける際は¥600必要ですが、最後に¥100返ってくるので実質¥500です。

 

 

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ここのロッカーは当日なら何回も開け閉め可能なのでとても重宝します。¥600のロッカーは40Lのザックもストックも余裕で入るので、お風呂に入る時はザックごと預けてしまいます。

 

テレキャビンとリフトに乗って登山口まで

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08:00を過ぎたら2Fに移動、この奥の扉から外に出ます。

 

 

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外に出たら右側にテレキャビンの「とおみ駅」があるので、ここで乗車のために並びます。テレキャビンのチケットはチケットセンターではなく、この建物の中でテレキャビンに乗る直前に買います。

 

 

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建物内には登山ポストがあるので、登山届けを出していない場合はここで記入してからテレキャビンに乗ります。私は今回は事前にネット(コンパス)で届けを出しました。

 

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テレキャビンで一気に標高を稼ぎ…

 

 

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テレキャビンから降りたら北口へ。

 

 

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北口から外に出たところ。

 

ここから上に向かって登山口まで歩いて行っても勿論構わないのですが、ヘタレの私は少しでも楽をしたいので、矢印のところまで一旦下って、¥450払って文明の力を借りてリフトで上まで連れて行ってもらいます。

 

 

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リフト乗り場までは1〜2分ですが、スキーコースを横切るので背後には注意が必要です。

 

 

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樹氷を見ながらリフトでぐいぐい標高を稼ぎます。ありがとう、リフト…。

 

 

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右を見ると豪壮な五竜岳の姿がチラリと。

 

 

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リフトから降りたところ。降りたら左に進みます。

ちなみにリフトは上り専用なので、帰りは乗せてもらえません。帰りはスキーコースを歩いてテレキャビン乗り場まで戻る必要があります。

 

 

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平坦な道を少し進むと、

 

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もう1つのリフト乗り場に出るので、これを右に。

 

 

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坂を少し登るとゲートが出てきます。ここではパトロール隊の人が入山者のチェックをしていることも。

ここでワカンを装着し、これからの上りに備えて準備をします。

 

 登山口から小遠見山まで

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まずはこのピークを登ります。

 

 

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小遠見山まではバックカントリーの人たちがスキー板でトレースを付けてくれていることが多いです。ただ、スキー板は浮力があるので、そのトレースをアイゼンだけで歩くと踏み抜いてしまうことが多いです。ですので雪の状況にもよりますがワカンやスノーシューがあった方が断然歩きやすいです。

 

 

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第一のピークを登ったところで…

 

 

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左を見るともう絶景。

 

 

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後ろを振り返ると火打・妙高方面の山々がよく見えます。

いつもなら市街地も雪で白くなっているのですが今年は雪が無い無いと言われているだけあって真っ黒。

 

 

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気持ちの良い1本道を歩き進めていきます。

 

 

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道中はこのような切り立った斜面を歩く場面も。こういうところで踏み抜いてしまうと雪が斜面側にどんどん崩れていったりして復帰がなかなか大変です。(なのでワカンやスノーシューの方が良かったりします)

 

 

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更に歩き進めて…

 

 

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「一ノ背 髪」に到着。

 

 

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標識の周りをぐるりと囲う動物の足跡。何の動物でしょうね?

 

 

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奥に見えるのは五竜岳。白く染まった山肌がとても美しく、黒く露出している武田菱(に似た岩)が存在感を放っています。

 

 

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小遠見山の頂上が見えてきました。

 

 

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うしろの景色も素晴らしいので、ちょくちょく振り向いては写真を撮ってしまいます。随分登ってきました。

 

 

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歩き進めていくうちに、鹿島槍ヶ岳の姿も見えるように。

 

 

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あの先が頂上です。そういや毎年遠見尾根はバックカントリーの外国人達で賑わっているのですが、コロナウィルスの影響なのか、ここまで誰にも会わず。

 

 

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頂上直前で後ろを振り返ると、ようやく人の姿が。

 

 

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小遠見山に到着。右の五竜岳と左の鹿島槍ヶ岳がひとつの写真におさまるとは、なんと贅沢な場所なのでしょう。

 

 

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鹿島槍爺ヶ岳方面を望む。

 

 

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鹿島槍ヶ岳の北壁。中央に見えるカクネ里雪渓は国内4例目となる氷河として認定されています。

 

雪化粧をした山肌を見て、荒々しさと色っぽさを同時に感じてしまうのは私だけでしょうか。

 

 

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鹿島槍ヶ岳の隣に見えるのは爺ヶ岳。そして、写真を撮っている時には気付いていなかったのですが、爺ヶ岳左側にひょっこりと槍ヶ岳が見えていました。

 

 

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時間があればこの先の中遠見山・大遠見山まで足を伸ばす事も可能ですが、今回はバスの時間の都合でここまで。来た道を下山します。

 

下山時はアイゼンを履いて、その上からワカンを装着。歩くのが下手なので急坂をワカンのみで歩こうとするとズルッと行ってしまいそうでなかなか怖くて…。アイゼンの刃があるだけで安心感が違います。

 

 

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下りに入ると、登りでは見えなかった雪庇の下の亀裂が。

 

 

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突き抜けるような青空が気持ち良い。

 

 

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写真で見るとなんてことのない坂なのだけど、結構勾配があって斜面が切り立っているところがあるので、帰りは慎重に降ります。

 

 

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登山口まで戻ってきました。

 

 

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リフトを左へ進み…

 

 

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行きに乗ったリフト乗り場の上まで戻ってきました。

ここからさらに矢印の方向に進み、スキーコースを歩いてテレキャビン乗り場に戻ります。

 

 

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スキーコースを歩行中。後ろからスキー&ボードの人たちがガンガン降りてくるので、背後に気を付けながら下っていきます。

 

 

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リフト乗り場からテレキャビン乗り場までは歩いて10分ほどです。常に背後を気にしながらあるいているせいか、なかなか長く感じます。

 

テレキャビンに乗って下山したら、お風呂に入って、その後レストランで食事をしようと思ったのですが…

 

 

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時間が微妙だったのでお風呂だけ入って、無料送迎バスで白馬五竜バス停まで移動。

 

エントランスを出て正面にたくさんのバスが待機しているので、「ルート1」のバスに乗ります(2020年2月時点。年が変わるとルートが変わっている可能性もあるので最新の情報をご確認下さい)。

 

 

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無料送迎バスで10分ほどで白馬五竜バス停に到着。ここから新宿方面のバスに乗り、帰路につきます。おつかれさまでした。

 

おわりに

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景色が良いのでついつい長居してしまう小遠見山周辺。鹿島槍ヶ岳五竜岳の迫力もさることながら、妙高・火打方面の山脈の美しさ、そしてなにより道中目の前に伸びる白い一本道の気持ちよさ。

 

きっと誰もが好きになるであろう素晴らしい場所です。お時間と天気の都合が合いましたら是非。